謡曲「芦刈」に基づく。故あって妻と離れて難波の浦で芦を刈る老翁がやがて妻との再会をはたす夫婦和合の姿をあらわす。 御神体(人形)の旧御頭には天文6年(1537)七条仏師運慶の流れをくむ康運作。 装飾 現在の前懸と見送は山口華楊原画の段通「凝視」(1986)と綴織「鶴図」(1985)、胴懸は尾形光琳原画の「燕子花図」1994)。 欄縁の彫金飛雁の錺金具は明治36年(1903)川辺華挙の下絵で藤原観教作。旧胴懸の「鶴亀蜀紅文絲錦裂」(江戸時代)をはじめ、「獅子蜀紅文繻珍小袖」(江戸時代)、古い見送など貴重な染織品を多く残している。