長柄のついた綾傘を人が手に捧げもって巡行する古態をもつ鉾である。応仁の乱以前からあった古い鉾の一つで、他の山鉾の華麗さや趣向の巧妙さはないが特殊な傘鉾なので洛中洛外図などにも描かれている。
綾傘鉾も江戸末期に一時、小型の曳山として巡行に参加したが、元治の兵火(1864)にあい廃絶してのち巡行を休んでいた。しかし、古くからこの町とかかわりの深い壬生斎念仏講中の協力で昭和48年から棒振が復活、昭和54年に綾傘の修理もなって百年ぶりに巡行がみられることになった。
装飾
棒振り囃子は、赤熊をかぶり、棒をもった者が、鉦・太鼓・笛に合わせて踊るもので、壬生村の人々により奉仕されていた。この綾傘鉾も町内の人々の努力が実り、昭和54年から巡行することになった。
なお、傘につける垂りは人間国宝の染織家森口華弘の友禅「四季の花」と平成4年に町在有志の寄贈になる綴錦「飛天の図」がある。
- 住所:下京区綾小路通室町西入善長寺町
- 鉾の重さ:0.36トン(巡行時。人、懸想品含む)
- 綾傘鉾ホームページ