丹後守平井保昌と和泉式部の恋物語に取材し、保昌が式部のために紫宸殿の紅梅を手折ってくる姿をあらわしている。御神躰(人形)は緋縅の鎧に太刀をはき、梨地蒔絵の台に紅梅を一杯にもってこれをささげている。
装飾
頭は明応9年(1500)、胴は文政元年(1818)町内に住んでいた彫刻師勇祐の作であるという。
前掛の緋羅沙地に蘇武牧羊図、胴掛の張騫巨霊人に鳳凰虎を配した刺繍は円山応挙(1733~95)の下絵である。下絵は別に屏風に仕立て保存している。
見送は福禄寿、弁財天に唐子を配した綴錦で寛政10年(1798)の作、水引は雲龍波涛文は鳳凰鶴虎を配し、特に孔雀の羽根を縫い込んだ刺繍の逸品である。山の故事にちなみ宵山には「縁結び」の御守りが授与される。
- 住所:下京区東洞院通松原上る燈籠町
- ご利益:縁結び
- 山の重さ:0.67トン(巡行時。人、懸想品含む)