萩
萩は万葉の時代には最も愛された秋草であり、可憐な花がしなやかに風にゆれて優美な姿をみせてくれます。
約500株の萩に境内は華やぎます。萩まつりは虫籠に鈴虫を入れて神前に奉納。萩の枝には訪れた人々の献句の短冊が吊され、拝殿で狂言、舞踊、琴の演奏などがあります。
上賀茂神社は、国宝の本殿は桧皮葺きの朱塗りの社殿で、初秋には白、ピンクの萩が境内のそこかしこを彩ります。古代から境内を流れ、百人一首にも詠まれている「楢の小川(ならのおがわ)」のほとりを彩ります。
出町柳駅よりすぐの常林寺は、萩の寺の別名を持つ浄土宗の寺院です。9月中旬から下旬にかけて身も隠れるほどの萩が境内を覆いつくします。
晩夏から秋にかけて咲き、淡紅色の花に真ん中の黄色い花弁がかわいい花です。
大原の三千院では聚碧園(しゅうへきえん)を中心に秋海棠が咲きます。緑の中で可憐な薄紅色の花が咲き、初秋のお庭を彩ります。
大原の寂光院は平清盛の娘で安徳天皇の母である建礼門院が、尼として余生を過ごしたところです。秋海棠は、境内の小さな池「四方正面の池」のほとりを中心に自生したものが咲いています。
大原の実光院は四季折々の花が楽しめる、天台宗のお寺です。約120種の山野草が季節ごとにお庭を飾ってくれます。
嵯峨菊
嵯峨菊は、嵯峨天皇御愛の菊として嵯峨御所大覚寺の大沢池の島に植えられたのが始まりです。糸のように細い花弁は、打上花火のような感じで、色とりどりの花があります。
嵯峨菊は大沢池の菊ヶ島に自生していた嵯峨野独特の野菊を、永年にわたって洗練し、「天・地・人」の微妙な配置に仕立て上げた、格調高い菊と言われています。
秋明菊
秋に、菊に似た花を咲かせるところからこの名前に。白と薄い桃色の一重の花と、濃い桃色の八重の花があります。
西山の中腹にある善峯寺には、境内全域に約5000本もの秋明菊が群生して、京都でも有数の名所となっています。 白と薄い桃色の一重の花と、濃い桃色の八重の花が境内全域で咲き乱れます。
紫式部
紫色の実をびっしりつけることから「紫重実、紫敷き実(むらさきしきみ)」と呼ばれていたものが、源氏物語の作者・紫式部を連想させて「紫式部」となったとか。
紫式部祭が毎年10月第一日曜に行われます。献茶式や日舞の奉納があります。平野神社では紫式部と白い実の白式部も見られます。