半夏生
半夏生(夏至から数えて11日目の7月1日頃から七夕頃までの5日間が半夏生)の頃に花を咲かせることに由来する説や、葉の一部を残して白く変化する様子から「半化粧」とする説があります。
両足院は臨済宗建仁寺派の塔頭寺院です。梅雨の頃には、半夏生がいきいきと生い茂ります。初夏になると徐々に色を変え、まるで白い可憐な花が咲いた様に池辺を彩ります。池の北側には織田信長の弟織田有楽斎好みの如庵の写し「水月亭」、その右には六帖席の「臨池亭」が並びます。
いけばな発祥の花の寺でもあり、「いけばな嵯峨御流」の家元でもある。 池に流れ込む小川脇に半夏生が咲きます。
足利尊氏が衣笠山の山頂にあった仁和寺の子院を譲り受け、この地に移築して等持寺の別院として中興、改宗し天龍寺の夢窓国師を開山としたのが始まのお寺です。 半夏生が咲くのは夢窓國師作庭の古園の方です。
氷室池と、枯山水のある平庭部分に分かれている庭園。池にはカキツバタ、ハナショウブ、ハスが植えられ、水辺の花を楽しめます。また岸辺にはウメやサクラも植えられています。こちらに半夏生がたくさん植えられています。
世界遺産で、臨済宗天龍寺派の大本山。春は桜、秋は紅葉が美しく、各季節ごとにたくさんの花で彩られます。夏は半夏生、蓮、桔梗などが咲きます。
魚山と号し、天台五箇室門跡の一つです。半夏生ぐらいから色づきはじめます。見ごろは7月中旬ぐらいです。他のところより遅いです。
沙羅双樹
「祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり 沙羅双樹の花の色 盛者必衰の理をあらわす」沙羅双樹の花は、朝咲いて夕べには散ります。 その散りかたは、花びらを散らさず、花が地面にポトンと落ちると言う、いさぎよい散り方をします。
臨済宗妙心寺の塔頭の一つで、樹齢300年の沙羅双樹の銘木で知られます。基本的には非公開寺院で、6月15日から6月30日までは「沙羅の花を愛でる会」が催され、特別に拝観することができます。
苔に覆われた方丈庭園には、10数本の沙羅の木があります。「一日花」と呼ばれる可憐ではかない沙羅双樹の白い花を愛でてください。
桔梗
桔梗は秋の七草のひとつで、万葉集に出てくる「あさがお」は、この桔梗のことだといわれています。可憐な紫色の花は優しげで、桔梗は紋にも多く使われ、桔梗紋は代表的な女紋の一つとされています。
東福寺の塔頭のひとつ天得院は、桔梗の寺として知られています。杉苔に覆われた枯山水の庭に咲く約300本の桔梗は、作庭された時代より今日まで丹精込めて育てられてきたもので、桔梗の開花にあわせて特別公開が行われます。
また、日没後は庭園ライトアップが開催され、夜の庭園を楽しむこともできます。
廬山寺は紫式部邸宅址で源氏物語の執筆地でもあります。源氏庭は平安朝の庭園の「感」を表現したものであり、白川砂と苔の庭です。源氏物語に出てくる朝顔の花は今の桔梗のことであり、紫式部に因み、紫の桔梗が6月末から9月初め頃まで静かに花開きます。
智積院の寺紋にもなっている桔梗があちこちに植えられています。3000株の桔梗が植えられているそうです。多いのは金堂への道の両脇です。 この辺りは無料で見学できます。
晴明神社の星のマーク五芒星は、神社では 桔梗印と呼ぶそうです。境内には桔梗苑も含めて約2000株の桔梗が植えられています。
ちなみに、桔梗の花言葉は「誠実、変わらぬ愛」。その桔梗の開花している期間だけ限定授与される「ききょう守り」があります。
芙蓉・酔芙蓉
朝開花し、夕方にはしぼむ1日花ですが、花が咲いては枯れてを繰り返すため花は絶えず咲き続けているように見えます。 夏の時期、花を長く楽しめて、 秋遅くまで花を咲かせます。
法華宗の大本山で、卯木山と号し、日像上人を開基とする妙蓮寺は、芙蓉の寺として有名です。山門の周りから本堂周辺で紅い芙蓉が咲き、ピンクや白も咲きます。酔芙蓉も咲き夏の青空に映えます。
三国一を称する起上り達磨をはじめ、諸願成就に奉納された達磨およそ約8,000をまつる達磨堂が有名です。門を入ってすぐの参道脇に芙蓉が植えられています。芙蓉は夕方には萎んでしまう一日花です。
百日紅
約100日間ピンクの花を咲かせるのが名前の由来で、「猿滑」とも書きます。幹がスベスベで、猿も登れないところから。
永観堂は本尊に「みかえり阿弥陀」を安置しています。紅葉で有名な永観堂ですが、夏は大玄関に赤い百日紅(さるすべり)が咲きます。
苑内には百年を越える樹林が育ち、旧公家屋敷跡や庭園等歴史的遺構が点在し、古都の中心で特別な空間となっています。
大きく育った百日紅がきれいに咲いています。(山中邸跡)
本堂の両側に濃いピンクの百日紅の大木と、白百日紅の若木があります。法華宗真門流の総本山の本隆寺は、子供の夜泣きを止めると言われる「夜泣き止めの松」が有名です。