清水寺について
京都観光に来られた人が必ずと言ってよいほど訪れる清水寺。
十返舎一九「東海道中膝栗毛」の弥次さん、喜多さんだって見物に来ています。
京都市街を見渡す事ができる清水の舞台は教科書にも登場し、フランス・ミシュラン社が発行する観光ガイドブックにおいては三つ星の評価を取得するなど、国内外への知名度はバツグンです。
また、清水寺は本尊に十一面千手観音を祀っており西国三十三所観音霊場の第16番札所でもあり、全国の信者からの信仰を集めています。
春秋には「夜間拝観(ライトアップ)」も行われるため、夜の京都観光ができるスポットして昼夜を問わず賑わっています。静かにお詣りしたい人は、6時の開門~朝8時頃までの時間帯がおすすめです。
境内マップ
- 住所:東山区清水一丁目294
- 交通案内:市バス206・100「五条坂」徒歩10分 207「清水道」徒歩10分
- 拝観時間:6:00 ~ 18:00
- 料金:400円
- 清水寺ホームページ
本堂
「起り反り(むくりそり)」と呼ばれる檜皮葺の屋根は、上は凸型、下は凹型の曲線を描きます。約50年ごとに葺き替えられています。
清水の舞台を通り過ぎ、地主神社が視界の左手に入る頃の階段のところで本堂の壁を振り返ると、深い溝がたくさん刻まれています。まるで爪跡のように本堂を一周しています。これは電灯が無かった昔に夜な夜な清水寺へ「お百度参り」をした人々が、暗い夜道を壁を辿って歩いた跡なのです。清水寺への厚い信仰心が伺えますね。「同じ事を繰り返し続ける」という意味の「堂々めぐり」という言葉は、「お堂の周囲を何度も回る」ことからが生まれたのだそうです。
清水の舞台(国宝)
京都市街を見渡す眺望が人気で、清水寺の顔とも言えるスポット。檜板張り、柱は欅(ケヤキ)で高さ約13メートル、幅約18m、奥行き約10m。平安後期の12世紀初めには、懸造(かけづくり。一部分を張り出した造り)の舞台になっていました。思い切って物事を決断する様を表す言葉「清水の舞台から飛び降りる」は有名です。
随求堂
清水寺の塔頭・慈心院の本堂。本尊の随求菩薩(秘仏)は、衆生の願い・求めにすぐに 随って、全て叶えてくれるという大功徳を持っているとか。 大聖歓喜天や粟島明神等は縁結び・安産・子育ての神仏です。
大講堂
清水寺開創1200年を記念し、観音信仰の道場・国際交流の殿堂として建立、寺務所が置かれています。中央棟の多宝閣に4メートルの巨大な仏足石と四方四仏四千余体を祀ります。また宝蔵殿に重要文化財の仏像・絵馬や寺宝を収蔵しています。
- 狛犬
清水寺の仁王門前の狛犬は、口を開けている「阿形」と、口を閉じている「吽形」ではなく、二匹とも口を開けた「阿形」 - 仁王門のカンカン貫
仁王門の右側の前面と背面それぞれの柱に磨り減った木口があり、一人が耳をつけて、反対側をもう一人が叩くと、「カンカン」という音が聞こえてきます。 - 虎の図
岸駒作の「虎の図」の石灯籠に彫られた八方睨みの虎は、毎夜灯籠から抜け出して池の水を飲みに行くという不思議な言い伝えが残ります。☆東洞院丸太町を下った所には岸駒居住地の石碑が建っています。 - 鐘楼
通常、梵鐘は四本の柱で支えられるが、清水寺の梵鐘は大きく重いために六本です。 - 三重塔
三重塔の四方角の屋根に付いている鬼瓦が、東南角の瓦だけ龍がついています。龍は仏教の守護神であり、水を司り雨を呼ぶ神なので、防火のおまじないになっています。 - 仏足石
一尺七寸(約50cm)もの大きな足形の中央には、仏足石を象徴する足下二輪相がうっすら残っています。弁慶によるものであるとか、平家の武将・平景清のものだったとかという伝説があります。 - 清水の舞台
樹齢400年を越すケヤキの大木が、長短48本に貫(ぬき)を通しただけで、釘を使わずに組み立てられています。
「舞台」という名の通り、御開帳などの特別な法会の際には、この清水の舞台で能や狂言、雅楽等が奉納されます。両袖の翼廊は楽舎です。舞台からの眺望は、実に絶景!
なぜせり出した舞台ができたのか?
観音信仰が人気を呼び、多くの人が清水寺に押し寄せてくるようになったから。平安時代より参詣者の増加と共に拡張し、中空にせり出す程に。
清水の舞台から人が飛び降りるようになったのはいつ頃から?
江戸時代頃からと言われています。「飛び落ち」と言われ、何日も続けて本堂の観音様に願掛け詣りを繰り返し、満願の日に命を託すつもりで清水の舞台から飛び降り、助かれば願いが成就、死んでしまったとしても極楽に行けると信じて、多い年では7人が飛んだといいます。なお、助かった人は8割以上とのこと。飛び降りを禁止するため、明治5(1872)年に京都府が竹矢来を設置しました。