宵山とは
「宵山」とは本来は山鉾巡行の前日のことですが、前祭の宵山は14~16日の間、後祭の宵山は21日~23日の期間が宵山とされています。
山鉾を「胴懸」や「見送」で飾り、祇園囃子を奏でます。 宵山期間中は山鉾に上がれたりもします。
夕方からの四条通・烏丸通の歩行者天国(15日・16日)が始まると、たくさんの人が溢れるように繰り出します。
7月の昼間は暑くても、夕暮れになるとちょっと風が心地よかったりして、ゆかた姿も男女を問わず、最近では外国からの観光客のゆかた姿も見られます。
毎年、露店も並び宵山は夜遅くまで賑やかに続きます。
後祭の宵山は歩行者天国も露天もありませんが、飲食店が店の前で提供しています。
賑やかな前祭の宵山、しっとりとした後祭の宵山。それぞれの宵山をお楽しみください。
日和神楽(ひよりかぐら)
日和神楽は、宵山の10時ぐらいから四条のお旅所まで、明日の巡行の無事を願いにお参りに出向きます。
屋台に太鼓や鉦(かね)を積み、祇園囃子を奏でながら 四条寺町の御旅所へ向かうこの「日和神楽」は 大変情緒のある行事です。
お旅所では、宮司さんから鉾町の町衆と囃子方が御祓いを受け、お囃子を奉納します。御旅所を出た後は、各寄り町を通って帰ります。帰りには粽を渡したり、2階に投げてもらえたりもします。
長刀鉾だけは八坂神社にお祓いとお囃子の奉納に行きます。帰りは祇園の花街を通ります。芸妓さんや舞妓さんが待つなかお茶屋さんや料亭の前で止まったりと、この時点で日付は変わっています。
屏風祭とは
中世のヨーロッパやペルシャ、中国から伝えられたゴブラン織りのタペストリー、絨毯、そして西陣織をまとって、コンコンチキチンのお囃子で巡行する山や鉾は「動く美術館」と言われるほどです。
ところが、祇園祭の見どころはそれだけではありません。宵山で祭りを支える京の町衆の家で行われている屏風祭りは、「静の美術館」とも言われます。
かつて京の町衆達の経済力は、世界中から珍奇なものを京に集めました。さらに、その財力で江戸時代の京都の美術、工芸品を守り育ててきました。
祇園祭の宵山は、そうした町衆達が年に一度秘蔵している屏風絵などの絵画や工芸品を飾り、親戚知人を招いて振る舞い観賞していました。祭り見物に来た人々に見ていただく日でもありました。
数は少なくなりましたが、今でもその伝統を守り、洗練された伝統の美意識で住まいを飾り、もてなすことが伝えられています。