「鮎釣山」ともいう。神功皇后が肥前国松浦川で鮎を釣って戦勝の兆としたという説話による。御神体(人形)は金の烏帽子に太刀をはき、右手に釣竿、左手に釣り上げた鮎を持って立つ。
神功皇后は古くから安産の神として祀られ、山鉾巡行のくじ順が早いとその年は御産が軽いといわれる。安産の神として公家の信仰も厚く女院や公卿の姫君などから寄進された小袖や打掛、水干などが多数御神体衣装として保存されている。
装飾
水引は36歌仙図の刺繍、前掛、胴掛は日本三景の綴錦で天保2年(1831)の製作で、奥川米厳の松島図下絵は別に保存されている。見送には花鳥竜文の綴錦が用いられ、宵山には安産の御守りと腹帯とが授与される。
2013年:水引3枚が182年ぶりに復元新調
水引は、山の胴体側面を飾る幕で、上部は「三十六歌仙図」の絵柄で、金地に65色の絹糸で刺しゅうを施し、柿本人麻呂や紀貫之など奈良・平安時代の歌人とそれぞれの和歌を立体感あふれる技法で表した。下部は、緋色の羅紗地に円形やひし形などの唐花文様を配している。
- 住所:中京区錦小路室町東入占出山町
- ご利益:安産
- 山の重さ:0.51トン(巡行時。人、懸想品含む)